自然の川とダム
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川だけにはおさまらない大きな被害
川底が下がるということは、川岸が崩れ、川岸にまわりの地層が垂直むき出しになります。そして、むき出しになった地層から地下水が流れ出すようになります。地下水がこのように流れ出すと、地下水脈の水位が低下してしまいます。これは井戸水が涸れたり、自噴していたわき水が途絶えたりという影響として現れてきます。また、地下水が失われると土地は乾燥し、川の周辺にあった池や沼、湿地などの水が干上がってしまいます。
そうなると周囲の土地が乾燥化して、草木・樹木などの植物の種類がかわってしまうのです。植生がかわってしまうのです。植生がかわると、そこで生活する鳥・昆虫・動物の種類すらかわってしまうことになります。
川底が下がったことでわき水などの地下水が涸れてしまうといいましたが、そうなると魚の生活にも影響がでてきます。
サケが産卵する前に、その場所に鼻をつけてわき水がでているか確認してから卵を産み落とすという例からわかるように、サケの卵はわき水のないところでは生きていけません。多くの魚たちが川底を流れるわき水や伏流水に卵をゆだねて育てています。だからダムのある川では上記のように伏流水・わき水が減ってしまい、繁殖できなくなってしまい、数も種類も減ってしまいます。
今北海道全体の川で見られる現象で、それは川の水がきれいでも魚がいなくなっていることを裏付けています。これは、日本中の川で起きている現象と見てよいと思います。
ダムがある川から魚がいなくなるだけでなく、ダムのある地域全体にも被害がでてきます。ダムに起因する川底の低下は、川岸の崩壊を招きます。そして川沿いの道路や農地・宅地などが崩壊をするようになります。川岸が大量に崩壊すれば、発生した土砂が一時的に短時間で川底に堆積するために、川底が急速に上昇し、川から水が溢れる洪水被害にもつながります。
ダムを造っては被害がでて、被害がでたら、補修工事をする。その補修した場所は次の大雨で崩れて、再び、同じ場所の補修工事をする。その繰り返しになり、被害がどんどん広がっていくのです。
ダムは人命財産に及ぶ被害を多発させ、川にすむ魚の数を減らし、海に流れ出した泥水は沿岸の水産資源をも枯渇し、取り返しのつかない事態を招く元凶であることが見えてきます。
アメリカで指摘されている「川をポアー(Poor:貧しい状態)にする」という表現は正しいと思います。魚などの生物が激減し、川の生産性が萎えて低下し、不毛の川となり果てることを意味しているのかと思います。